成分分析とは?材料や食品の検査方法とリサーチについては機能性植物研究所へ

2025年4月15日

「この成分、本当に入っている?」

「安全性や機能性をきちんと証明したい」

そんなときに欠かせないのが成分分析です。食品や材料の“中身”を科学的に可視化することで、品質管理や商品開発、法令対応まで多方面に活用できます。

本記事では、代表的な分析手法や活用事例、データの見方まで解説。

成分分析をご検討中の方は、確かな技術と実績を持つ機能性植物研究所へご相談ください。

成分分析とは?材料や食品の検査方法とリサーチについては機能性植物研究所へ

成分分析の基本概念と重要性

成分分析とは、ある物質や材料にどんな成分が含まれているかを調べることです。製品の品質や安全性を確認したり、法的要件を満たしているか確認したりできます。

ここでは、成分分析の役割や活用事例について見ていきましょう。

材料分析における成分分析の役割

材料分析とは、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、繊維などの工業材料に含まれる元素や化合物の種類・量を調べることで、以下のような役割があります。

  1. 製品に意図した材料が正しく使われているかを確認する(品質管理)
  2. 製品の中に異物が入っていないか調べる
  3. 壊れた部品の成分を調べて、問題の原因を突き止める

成分分析を通して、鉄に含まれる炭素量が適正かや、半導体チップの内部に異常な成分がないかなどがわかります。

品質管理における成分分析の意義

品質管理における成分分析の役割はズバリ、「品質の“見える化”」です。

製品に含まれる成分を数値として示すことで、品質のばらつきや異常を早い段階で把握できます。

たとえば、金属材料の炭素量が基準を外れていれば、強度不足による不良につながるおそれがあります。

さらに、法令で規制されている有害物質の含有状況を確認することで、安全性や法令遵守を客観的に証明することも可能です。

このように、成分分析は信頼される製品づくりを支える「土台」として機能しています。

研究開発での活用事例

成分分析は研究段階から製品化まで、さまざまな分野で活躍しています。

食品業界では、新商品の栄養バランスを整えるために成分分析が活用されています。

たとえば、機能性食品の開発では、原料に含まれるポリフェノールや食物繊維の含有量を確認しながら、最適な配合比を検討します。

医薬品や化粧品では、安全性や有効性を評価する目的で、微量成分や不純物の確認にも使われています。

このように、研究開発においても成分分析は重要な役割を担っています。

最新の分析技術と手法

製品の性能や安全性を支えるには、材料を細部まで理解するための分析技術が欠かせません。

ここでは、近年活用が進む代表的な分析手法を4つご紹介します。

1)分光分析

物質に光(紫外線、可視光、赤外線など)を当てて、どの波長を吸収・反射・透過するかを観察することで、成分や構造を調べる手法です。
非破壊的かつ高感度であるため、試料を傷つけずに迅速に測定できる点が大きな利点です。代表的な手法には、紫外可視分光(UV-Vis)、赤外分光(IR)、ラマン分光などがあり、分子の官能基の同定や濃度測定などに広く利用されます。

2)質量分析

試料中の分子をイオン化し、それぞれの質量と電荷の比(m/z)を高精度に測定することで、分子の構造や組成、含有量を明らかにする方法です。
微量成分でも高感度・高精度に分析できるのが特徴で、医薬品の品質管理、環境中の微量有害物質の検出、生体分子の解析(プロテオミクスやメタボロミクス)など、さまざまな分野で活用されています。イオン化の方法や分析装置の種類によって、多様な応用が可能です。

3)熱分析

物質を加熱・冷却しながら重さの変化を測定することで、素材の特性を評価する方法。

温度変化に対する物質の反応を見える化できます。

物質を加熱・冷却しながら、質量変化や熱の出入りを測定することで、素材の熱的特性や物理的変化を評価する分析法です。
融点、熱分解、ガラス転移、吸脱着、結晶化挙動など、温度に依存する現象を可視化できるため、ポリマー、無機材料、食品など多様な分野で使用されます。主な手法には、示差走査熱量測定(DSC)や熱重量分析(TGA)などがあります。

4)X線分析

物質にX線を照射し、反射・回折・蛍光などの応答を測定することで、内部構造や含まれる元素の種類・量を分析する手法です。
非破壊かつ深部まで分析が可能であり、結晶構造を調べるX線回折(XRD)、元素分析を行うX線蛍光分析(XRF)、微細構造を観察できるX線CTなど、さまざまな技術があります。材料開発、半導体評価、文化財の調査など多岐にわたる分野で活用されています。

それぞれの特徴と主な用途は下図の通りです。

分析手法原理・特徴主な用途・応用例メリット
分光分析光の吸収・透過・反射などを測定し、分子の構造や濃度を解析官能基の同定、濃度測定、分子構造解析非破壊、高速、簡便
質量分析分子をイオン化し、質量/電荷比(m/z)を測定成分分析、構造解析、微量物質の検出、バイオ分析など高感度、高精度、構造情報も得られる
熱分析加熱・冷却中の質量変化や熱の出入りを観測し、熱的性質を評価融点・分解温度測定、ガラス転移、吸脱着、劣化解析など材料の熱挙動が詳細にわかる
X線分析X線の回折・蛍光などを利用して、内部構造や元素組成を調べる結晶構造解析、元素分析、非破壊検査、文化財調査など非破壊、深部まで測定可能、元素分析も可能

食品分析における成分分析の実践

食品の品質や安全性を評価するうえで、成分分析は欠かせません。

栄養成分の表示や機能性の確認、異物混入や偽装の防止など、さまざまな場面で分析データが活用されています。

とくに近年は、消費者の健康志向の高まりにより、食品に含まれる栄養素や有害物質の詳細な測定が重要視されています。

ここでは、食品分析における成分分析の基本と実践的な活用方法について見ていきましょう。

栄養成分の分析方法

栄養成分の分析方法とは、食品に含まれるタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ナトリウムなどの成分を科学的に測定する方法のことです。

栄養機能食品や特定保健用食品(トクホ)の機能性の評価、栄養成分の表示、研究開発など多くの場面で活用されます。

成分主な分析方法説明
タンパク質ケルダール法/Dumas(デュマ)法窒素量からたんぱく質量を算出(窒素×6.25など)
脂質ソックスレー抽出法溶剤を使って脂質を抽出し、乾燥して測定
炭水化物差し引き法(by difference)「100 − 他の成分の合計」で算出(直接法もあり)
食物繊維酵素・重量法酵素で消化できる成分を除き、残ったものを測定
ビタミン類HPLC(高速液体クロマトグラフィー)などビタミンごとに専用の分析条件で分離・測定
ミネラル(Na, Caなど)原子吸光法/ICP-OES元素を高感度に測定できる装置を使用
ナトリウム(塩分)電位差滴定/ICPなど食塩相当量はナトリウム量×2.54で計算

食品安全性の確認手順

食品の安全性は、以下の手順で科学的に確認されます。

  1. 原材料の履歴やリスク物質の確認
  2. 製造工程での衛生・加熱管理(HACCP対応)
  3. 成分分析や微生物検査による数値評価
  4. 保存試験や包装材の安全性確認
  5. 表示内容の最終チェックと法令適合の確認


このように、原料から製品出荷まで多段階で管理され、安全性が担保されます。

【HACCPとは?】

HACCP(ハサップ)とは、食品を作るときに「どこで食中毒などの危険が起きるか」をあらかじめ見つけて対策する方法。2021年6月に「食品衛生法」が改正され、すべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務付けられています。

アレルゲン検査の重要性

食物アレルギーのある人が誤ってアレルゲンを摂取すると、重篤な症状を引き起こすおそれがあるため、アレルゲン検査は食品の安全を守るうえで欠かせない取り組みです。

日本では、卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かにの7品目が「特定原材料」として表示義務があり、さらにアーモンドや牛肉など21品目が「特定原材料に準ずるもの」として表示が推奨されています。

製造現場では、混入を防ぐための工程管理と、実際に含まれていないかを確かめる検査の両面で対策を講じることが重要です。

材料分析における先端技術

製品の品質や安全性を確保するためには、材料そのものを深く理解することが欠かせません。

近年は分析技術の進化により、材料の構造や成分をより正確かつ詳細に捉えることが可能になってきました。

ここでは、材料分析における先端技術を3つご紹介します。

1)元素分析

物質に含まれる元素を種類と量で特定する分析です。

材料の成分比や純度、不純物の混入を明らかにできます。

2)分子構造分析

物質を構成する分子の形や結合の仕方を調べる手法です。

新素材の開発や、有機化合物の特定に欠かせません。

3)ラマン分光分析

レーザーを照射して物質からの散乱光を分析し、分子の振動状態を読み取る方法です。

水の影響を受けにくく、生体試料や水溶液にも使えるのが特徴です。

各分析技術の主な用途と特徴は下の表の通りです。

分析技術主な用途特徴
元素分析金属材料の組成確認微量元素も検出可能
分子構造解析有機化合物の構造決定3D構造の可視化
ラマン分光分析結晶構造の評価非破壊分析が可能

これらの技術を活用することで、より高度で信頼性の高い材料評価が可能になります。

今後のものづくりや研究開発において、分析技術の重要性はますます高まっていくでしょう。

成分分析の専門的アプローチ

成分分析にはさまざまな手法がありますが、より高精度な情報を得たい場面では、専門的な分析技術の活用が欠かせません。

ここでは、代表的な分析手法について、実務での活用例を交えながらわかりやすく紹介します。

分光分析の基礎知識

分光分析は、物質に光を当てて、その反応(吸収や反射など)から成分や構造を調べる方法です。

たとえば赤外線やレーザー光を使い、「この物質には何が含まれているか」「どんな特徴があるか」を判断できます。

食品の栄養成分チェックや、化粧品・プラスチックの成分特定など、幅広い現場で使われています。

試料を壊さずに測定できる「非破壊分析」で、スピーディに結果が得られるのも特長のひとつです。

「ざっくり中身を知りたい」「異物が何か確かめたい」といったときにも役立ちます。

質量分析の応用

質量分析(MS:mass spectrometry)とは、物質中の分子や原子をイオン化し、それらの質量と電荷の比(m/z)を測定することで、その成分や構造を分析する手法です。試料はまずイオン化され、質量分析計によって質量ごとに分離され、検出器で信号として記録されます。得られた質量スペクトルから、分子の質量や構造、成分の組成を高精度に推定することができます。

この技術は、医薬品の分析、環境汚染物質の検出、食品の品質管理、法医学、さらにはタンパク質やDNAの解析など、さまざまな分野で幅広く活用されています。特に微量成分の検出や高精度な分子識別が求められる場面において、質量分析は極めて有効な分析手法です。

とても小さな量でも成分を見つけられるため、医薬品や食品、化粧品の開発現場で多く使われています。

たとえば、ある原料に微量の添加物やアレルゲンが混ざっていないかを調べたり、品質の違いを数値で比べたりできます。

液体クロマトグラフィー(LC)と組み合わせた「LC-MS」という手法では、混ざった成分を1つずつ分けながら詳細に分析でき、実用性が高いのも特徴です。

化学組成の解析方法 

化学組成の解析は、「この材料の中に、どんな元素(鉄、炭素、酸素など)がどれくらい入っているか?」を調べる分析です。


たとえば金属やガラス、セラミックなどの原料や製品で、「ちゃんと決められた成分比になっているか?」「異物が混ざっていないか?」を確認するために使われます。


X線を使った分析では、材料を壊さずに測定できるため、非破壊検査にも対応できます。


商品開発段階での試作評価や、製造現場でのトラブル解決にも活用されており、品質の見える化に役立つ手法です。

機能性植物研究所の分析サービス

成分分析の依頼は「機能性植物研究所」がおすすめです!

ここでは、機能性植物研究所の提供するサービスについて詳しくご紹介します。

提供可能な分析メニュー


機能性植物研究所では、商品開発や機能性表示の支援に役立つ以下の分析メニューをご提供しています。目的に合わせて選択いただけます。

◾ 機能性成分分析

  • ポリフェノールやイソフラボンなど、健康に関わる成分を定量
  • 機能性表示食品や健康食品の“売り”を裏付けたい方におすすめ

◾ 栄養成分分析

  • タンパク質・脂質・炭水化物・食物繊維など、基本的な栄養バランスを数値化
  • 加工食品やPB商品の栄養表示を正確に行いたい方に最適

◾ 抗酸化能評価

  • 抗酸化作用を数値化
  • 美容食品・サプリメントでの差別化を図りたい方に

◾ ACE阻害活性試験

  • 血圧上昇に関与する酵素「ACE」の働きを抑える効果を評価
  • 高血圧ケアを目的とした商品開発を進めている方に

◾ α-GI活性試験

  • 食後の血糖値上昇を抑える可能性を評価
  • 糖質オフ・糖質管理系の商品に機能性を加えたい方に

【各分析手法と所要時間はコチラ】

分析項目分析手法所要時間
機能性成分分析HPLC-UV、HPLC-ESI-MS/MS、HPLC-ELSD、HPLC-FL5-10日
栄養成分分析水分(常圧加熱乾燥法、減圧加熱乾燥法)、タンパク質(マクロ改良ゲルダール法)、脂質(エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法)、炭水化物(アンスロン硫酸法、ソモギー法)、灰分(直接灰化法、硫酸添加灰化法)、ミネラル(原子吸光光度法)10-20日
抗酸化能評価DPPH法、TBARS法10-20日
ACE阻害活性試験酵素法10-20日
α-GI活性試験酵素法10-20日

分析結果の解釈支援

分析結果の数値を見ても「これがどのくらいすごいのか?」がすぐにわからない、という方も少なくありません。

機能性植物研究所では、分析の結果をそのまま渡すだけでなく、「何が言えるのか」「どう活かせるのか」といった解釈のサポートも行っています。

基準値との比較、関連する文献との照らし合わせ、表示に向けた活用可能性など、開発現場で役立つ視点でご説明いたします。

初めての分析依頼でも安心してご相談いただけます。

研究開発サポート体制

機能性植物研究所は、分析サービスにとどまらず、商品開発を支えるパートナーとしてのサポート体制を整えています。

「どの成分を測るべきか」「目的に合う試験はどれか」といったご相談にも、専門スタッフが対応します。

分析の設計から結果の活用まで、研究の初期段階から実務レベルの課題まで一貫して支援します。

研究部門を持たない企業や、初めて機能性を検討する方でも、安心して開発を進められるよう伴走いたします。

品質管理における成分分析の活用

品質管理において、成分分析は製品の信頼性を裏付ける重要な役割を担っています。

たとえば、製品に含まれる成分を数値で確認することで、規格通りに製造されているかを客観的に評価できます。

万が一異常な数値やばらつきが見られた場合も、早期に原因を特定し、事故の防止につなげることが可能です。

また、アレルゲンや有害物質の混入がないことを確認することで、法令遵守や安全性の証明にも貢献します。

成分分析は、安定した品質と消費者からの信頼を支える“見える化”の手段として、多くの現場で活用されています。

分析データの解釈と活用方法

成分分析を依頼した後に重要なのが、得られたデータをどう読み取り、どのように実務へつなげていくかという点です。

ここでは、分析結果の解釈から応用までの基本的なステップをご紹介します。

データ解析の基本手順

分析データを有効に活用するためには、まず「目的」と「評価基準」を明確にしたうえでデータを読み解くことが重要です。

最初に行うのは、測定結果が規格や期待値に合っているかの確認です。

次に、過去のデータや類似試料との比較を行い、成分の傾向やばらつきを把握します。

異常値がある場合は、工程や原料の見直しも視野に入れます。数値の大小だけで判断せず、「なぜこの結果が出たのか?」を考察することが、実務での信頼あるデータ活用につながります。

レポート作成のガイドライン

分析結果のレポートは、社内外への情報共有や品質保証の根拠として大きな役割を果たします。

レポート作成の基本は、「何を目的に、どんな方法で、どのような結果が得られたか」を明確に記載することです。

測定値の意味やその背景、他データとの比較、基準との照合結果など、読み手が判断しやすい構成を意識します。

また、グラフや表を活用して視覚的に理解しやすい資料にすることも効果的です。専門的すぎず、かつ正確な説明が求められます。

結果の実務応用

成分分析の結果は、開発や製造、品質管理など、さまざまな実務で活用されます。

たとえば、機能性成分の含有量が十分であれば、商品の訴求ポイントとして使うことができますし、不足していれば配合の見直しにつながります。

また、ロット間の差異や異常値の発見からは、工程改善や原料選定の再評価に進むこともあります。

分析結果は単なる“数値”ではなく、製品をより良くするためのヒントです。

目的に応じて活かし方を考えることが、実務応用の第一歩です。

【参考】

成分分析とは?費用や鑑定、検査方法について|法科学鑑定研究所

分光分析とは|ケイエイブイ株式会社

食品表示基準における栄養成分等の分析方法等に係る調査検討事業報告書|消費者庁 『栄養成分分析の実際』|食品分析開発センターSUNATEC

HACCPに基づく衛生管理|厚生労働省

元素分析(Elemental Analysis:EA)|公益社団法人高分子学会

有機化合物の分子構造解析|住化分析センター

ラマン分光の原理|HIROBA



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